譲渡の特例(平成27年税制改正大綱)
財務省の平成27年税制改正大綱が公表されております。
http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2015/20150114taikou.pdf
その中でなかなかやっかいな項目を見つけました。
すなわち、国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の創設です。
内容は、以下のとおり(一部抜粋)。
『国外転出(国内に住所及び居所を有しないこととなることをいう。以下同じ。)をする居住者が、所得税法に規定する有価証券等を有する場合には、当該国外転出の時に、当該有価証券等の譲渡等をしたものとみなして、事業所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額を計算する。』
対象者は、『有価証券等の金額が1億円以上である者で、国外転出の日前10 年以内に、国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年超である者』とのこと。
ここでやっかいなのは、贈与、相続又は遺贈により有価証券等が移転する場合も該当するとのことです。
『有価証券等が、贈与、相続又は遺贈により非居住者に移転した場合には、その贈与、相続又は遺贈の時に、その時における価額に相当する金額により、その有価証券等の譲渡等があったものとみなして、事業所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額を計算する。』という扱いです。
富裕層の方だけかもしれませんが、相続税だけでなく、譲渡所得税等も申告納付することになります。
平成27年7月1日以後に国外転出する場合又は贈与、相続若しくは遺贈が該当するそうです。
海外にお住まいをお持ちの方や、これから海外へ転居する富裕層の方、お気をつけください。