統計 その5
総務省統計局においては、家計調査を行っております。そのうち、『家計調査年報(貯蓄・負債編)平成26年(2014年) 貯蓄・負債の概況』における貯蓄の状況を観てみます。
(以下、本文抜粋し編集)
『調査の結果の概要によりますと、二人以上世帯における2014年平均の1世帯当たり貯蓄現在高(平均値)は,1798万円となっており、過去の比較可能な統計結果としては過去最高になっているとのことです。なお、勤労者世帯(二人以上の世帯に占める割合51.5%)についてみると,貯蓄現在高の平均値は1290万円です。勤労世帯の貯蓄は低くなっております。
二人以上の世帯について貯蓄現在高階級別の世帯分布をみると,平均値(1798万円)を下回る世帯が67.6%と約3分の2を占め,世帯分布は貯蓄現在高の低い階級に偏っています。貯蓄現在高が最も少ない100万円未満の階級が,二人以上の世帯に占める割合は10.3%となっております。このうち勤労者世帯についてみると,100万円未満の階級が勤労者世帯に占める割合は12.4%となっております。』
平均値を下回る世帯が約7割であることから、世帯数としては少数である富裕層がかなりの貯蓄があることがわかります。
また、貯蓄現在高階級別世帯分布-2014 年-という図を観ますと、貯蓄保有世帯の中央値(世帯を貯蓄の順番にならべた場合の真中世帯が保有している貯蓄の額)は1052万円となっているのがわかります。
なお、二人以上の世帯のうち勤労者世帯では、平均値が1290万円、貯蓄保有世帯の中央値741万円です。
結論として、勤労世帯は貯蓄が少ない。つまり勤労世帯は子育て等で消費が多いということが推察できます。
勤労世帯ではない世帯では貯蓄が多いので、勤労世帯へ貯蓄が移動する制度、すなわち教育資金等の一括贈与の制度等が創設された経緯ですが、平均でも約1800万円程度しか保有していないのに、それなりの資金を贈与できる方はやはり限られますね。
一言でいえば金持ち優遇政策ですね。